建売や中古賃貸物件などを探そうと思って不動産屋に行くと、店頭などに張られている物件情報を目にしますよね。
その物件情報のことを『マイソク』と呼びます。
普段気にしていないときは全然見ないですが、いざ物件を探そうとするときは食い入るように見ますよね。
しかし書かれている内容も専門用語が多く分からないことも多いですね。
今回はそんなマイソクの中でも取引様態について考えていきます。
マイソクってどうしてマイソクっていうの?
ちょっとした小話ですが、皆さんは物件情報の書かれた紙の正式名称知っていましたか?
私は数か月前まで知りませんでした。
『マイソク』ってどこから来てるんでしょう。
このマイソクという言葉は現在一般的に知られている物件情報のチラシを作った会社から来ているそうです。
株式会社マイソクという会社が作っていたからそれが広く知られてマイソクになったそうです。
余談でした。
取引様態の種類
マイソクには取引様態が記載されています。
上の画像のような不動産屋の前にか掲載されている、マイソクの下の部分の帯と呼ばれる部分を見ると取引様態と書かれている欄があります。
この取引様態がどういう意味かというと、その物件に対する不動産屋さんの立場を表しています。
売買物件の取引様態には売主、代理、媒介(仲介)の3種類があります。
売主は売主となるハウスメーカーや不動産屋が直接物件を販売している場合に使います。
物件数は少ないですが、スーモやアットホームなどでもそこそこ見かけます。
代理は不動産屋が売主から販売権限を与えられている物件に使います。物件数としては少なくめったに見ることがありません。
私は今までにまだ2,3回しか見たことがありません。
媒介ですが媒介は一般的によく見る取引様態で、売主と買主の間に不動産屋が入り仲介する物件のことを言います。
世の中に出回っている物件の多くがこの媒介(仲介)という取引様態になります。
さらにこの仲介にも種類があり、専属専任媒介媒介と専任媒介、後は一般媒介があります。
普段私たちがよく見かけるのは一般媒介が多いです。
専属専任媒介媒介や専任媒介についてはここでは特に説明しません。
それにしても物件に対する不動産屋さんの立ち位置ってこんなに種類があるんですね!?
取引様態売主について深掘ってみる
今回記事のタイトルにもなっている取引様態売主について詳しく見ていきたいと思います。
どうして売主にだけフォーカスするかというと、どうやらほかの取引様態に比べ安く購入することができそうだからです。
売主物件について話す前に不動産屋の仲介手数料について解説しておきます。
不動産屋さんの収益【仲介手数料】
一般的に不動産を購入するときは不動産屋さんを利用し、売り手と買い手の間に入ってもらい仲介してもらいます。
不動産屋さんはこの両方から「売ってもらってありがと」という意味で仲介手数料をもらい、買い手からも「購入するための手伝いをしてくれてありがとう」、という形で仲介手数料をもらうことができます。
仲介手数料の計算は 物件価格×0.03%+6万円×1.1(消費税)=仲介手数料 となります。これは仲介手数料の上限であって、不動産屋さんはこの手数料を上限の範囲の中で自由に決めていいのです。
なんなら買主からの仲介手数料は0円でいいですよっていう仲介屋さんもあります。
つまり3000万円の物件を売買した場合仲介手数料は105万6千円にもなるんです!これが仲介屋さんの利益となるわけですね。
なんと3000万円の物件を買おうとすると物件価格以外に105万6千円が必要になってくるんですね...
これを売主と買主からもらいます。
売主側の不動産屋と買主側の不動産屋がそれぞれもらう場合もありますし、売主側の不動産屋が買主も見つければ売主と買主両方から仲介手数料をもらうことができ、仲介手数料は2倍となります。
ここに日本の不動産業界の闇があるのですがそれはまたの機会にお話しします。
取引様態売主について
話を戻しまして取引様態の売主がどうして媒介に比べ安く購入できるのかというと、先に説明した不動産屋さんに払う報酬、つまり仲介手数料がかからないからなんです。
その仲介手数料分安く購入することができるということです。
3000万円の物件だったら105万6千円分安く買えたらだいぶお得ですよね!
新しい家具や家電の購入費に充てられますし、車を買い替える費用などに充てたり、いざという時の生活必需金のために貯めておいたりできますね。
ではなぜ売主物件は仲介手数料が無く購入することができるのでしょうか?
それは売主である不動産屋が仲介も一緒に兼ねているからです。
どういう意味かよくわからないですよね。
売主物件の売主は不動産屋や住宅会社などの法人です。さらにその会社は宅建業を持っており自分の持っている物件を自分たちで売ることができるんです。
だから間に仲介屋さんを挟まなくても取引ができるので、仲介してもらう人がいない、つまり仲介手数料が発生しないという仕組みとなっています。
売主物件が媒介物件に比べ安く購入できる理由わかっていただけたでしょうか?
なので、売主から直接購入することができれば仲介手数料分安く購入できるのです。
売主物件の落とし穴
物件を探してしばらくすると売主物件がお得に買えそうだということを知り、売主物件を買おうと考えると思います。
しかし売主物件にも落とし穴があるのでその落とし穴についてもしっかり理解しておきましょう。
売主物件のことを調べていくと売主が不動産屋などなので買主に不利な契約をさせられることがあると書かれていました。でもその不利な契約って一体どういうことなのでしょう。
私なりにいくつか考えてみました。
直接契約にかかわることではないですが、売主物件のデメリットにもなりそうな部分について、列挙しておきます。
売主物件デメリット
1、物件の全体数が少ない
2、物件を探すのが大変
3、仲介手数料込みで価格が設定されている場合がある
4、価格交渉は難しい
5、元の価格が安くない場合がある
などのデメリットが挙げられます。
一般に出回っている物件で売主物件の割合は圧倒的に少ないです。
そして売主を見つけるのは困難です。理由は二つあります。
一つは売主はスーモやアットホームなどの検索サイトに自身の物件を乗せることが少なく、直接売主のサイトなどから探さなければいけないからです。
二つ目は不動産屋さんは売主を教えたがらないからです。直接売主に行かれると困るからです。
そういったことから自分の気に入る売主物件を探すのは難しいかもしれません。
また間に仲介屋さんを挟まずに自分が直接不動産屋と交渉することになります。
ですので相手は不動産のプロです。自分は初めて家を買う素人です。価格交渉の仕方もわかりません。そんなプロ相手に価格交渉するのは難しいと思います。
売買契約は売主が行ってくれます。相手は不動産のプロなので任せて大丈夫です。しっかり行ってくれるでしょう。
しかしその分売主には手間が増えます。一般媒介ではほかの不動産屋さんがやってくれる業務を自分たちでやらなくてはならなくなるので、その手間賃として物件価格に含まれている可能性があります。
それでもほかの不動産屋に仲介手数料を払わなくてよい分利益は取れます。そこからの多少の値引きは可能かもしれません。
また売主物件は住宅会社が売主であることもしばしばあります。
そうすると各会社の特徴を生かした間取りや設備を取り入れた物件になっていることが多いです。変わった間取りや、高性能な設備は高額になりがちなので、物件の価格が高くなります。
以上のようなデメリットが売主物件にはあると思います。
売主物件に対する私なりのまとめ
売主物件に対する私の見解は、物件を購入するために売主物件ばかり探すのは違うと思います。
売主物件が欲しいわけではなく、その家で理想の住まいをかなえたいんだと思います。
自分の気に入った物件がありその物件がたまたま売主だったらラッキーくらいに思っておいた方が良いと思います。
ただ気に入った物件を見つけたときに売主を見つける努力はした方が良いと思います。
スーモやアットホームなどを見るとわかりますが、一つの物件をいくつもの不動産屋が紹介しています。その中に売主になっている不動産屋がいるかもしれないので取引様態をチェックしてみる。
直接不動産を販売している住宅会社や不動産屋のホームページをチェックしてみるなどはした方が良いと思います。
教えてくれる可能性は低いですが不動産屋に行って、気に入っている物件の売主を聞いてみるなんて言う手もあります。中には教えてくれる不動産屋もあるかもしれません。
売主も不動産のプロです。売買契約自体はしっかりやってくれます。
たとえ価格が下がらなくても仲介手数料を支払わなければその分は得をしていることになります。
不動産屋に払う売買手数料は物件を安心して買うための費用です。
そこの不動産屋に安心して任せたいと思えるのであれば決して仲介手数料は高いものではありません。
大事なことは安心して任せられるということです。
お客様の立場に立ち何がお客様にとって最適か、そういったところを考えてくれる不動産屋を見つけることが一番大事になってきますね。